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在日ブラジル人一家の父親が亡くなった場合
事例の概要
・依頼者は、日本育ちの30代のブラジル人男性です。関東近県の一戸建てに家族4人(父母と本人と妹。全員ブラジル国籍。)で住んでいたが、先月、急に父親が亡くなったとのことでした。
・相続財産は父親名義の一戸建てと預貯金が少々とのことでした。
受任経緯
・相談者が、住宅ローンを借りている銀行に出向いて話を聞いたところ、「お父様の借入は保険で無くなるため心配ないが、まずは相続登記を終えて欲しい。」と言われ、弊所のホームページを見つけて連絡をしたとのことでした。
手続き及び問題点
・まず、本件に適用される法律については、通則法36条を経由して、ブラジルの国際私法より「被相続人の最終住所地法が適用」されるため、結果、日本法が適用されることになります。(反致)
・日本法が適用されるとしても、全員がブラジル国籍で、戸籍が存在しないため、通常は、ブラジル領事館で宣誓供述書を作成してもらう事になりますが、依頼者ほか相続人は平日休むことが難しく、また、ブラジル領事館まで遠いため、なかなか予定が作れないとのことでした。
解決策及び結果
・その話を受けて、私は、ブラジルの死亡証明書に相続人に関する記載があることを思い出し、本件では相続人全員が住民登録も印鑑登録もしているため、これらを用いて相続関係の証明及び遺産分割を行う事ができないか? と考えました。
・そして、管轄法務局に提案したところ、遺産分割協議に実印に印鑑証明書添付、と言う簡易な形で相続登記が認められました。
・今後、定住する外国人が増えてくると、このような方式が使えるケースも増えるのではないかと思います。