日本の戸籍上、被相続人が独身に見える案件

事例の概要

・相談者は60代女性。被相続人は相談者の姉でした。

・姉は、40年以上前にアメリカ人と結婚し、現地で長男が生まれたが、10年前に帰国して、郊外で1人暮らしをしていたところ、半年前に急に亡くなったとのことでした。

・相続財産は、郊外の一軒家と預貯金でした。

・亡くなってから姉の戸籍を取得したところ、アメリカ人と結婚した旨も長男が生まれた旨も一切記載されておらず、戸籍上は独身のまま亡くなったように見えてしまいます。

受任経緯

・相談者が、この事を地元の専門家に相談したところ、「一旦、兄弟姉妹で相続してから、それをアメリカの息子さんに渡せばよい。」と言われ、それは虚偽の手続きとなると思い、不信感を持ったそうです。

・そこで、相談者の知り合いの税理士さんに相談し、その税理士さんから私の知り合いの弁護士さんに相談があり、私がご依頼を受けることになりました。

手続き及び問題点

・相談者とアメリカ在住の甥(以下「相続人」)とは、以前から連絡を取り合う仲だったので、連絡に問題はありませんでした。

・但し、被相続人の戸籍に親子関係が記載されていない事を、地方の金融機関がどのように判断するかについて、一抹の不安がありました。

・そこで、多くの国際相続案件と同じく、法務局で相続登記が認められれば、金融機関の安心材料になるものと考え、まずは管轄法務局との調整を行いました。

・日本の戸籍に記載のない相続関係の証明として、相続人には両親の婚姻証明書と父親の死亡証明書を取得してもらい、相続関係に関する宣誓供述書を作成して頂いたことで、管轄法務局の理解を得ることができ、相続登記は問題なく完了しました。

・ところが、地方の金融機関には、このような国際相続手続きの経験が無い様子で、手続きがなかなか進みませんでした。

解決策及び結果

・地方の金融機関に対しては、相続登記の関係資料を提出し、相続担当部署や顧問弁護士からの質問に何度も説明を行い、結果、半年以上かかってようやく預金が解除されました。

・最終的には、相続人が相続した不動産を私が代理で売却し、現金化された遺産をアメリカの相続人に送金して、本件は完了しました。

関連記事

  1. 外国籍の相続人の行方がわからない案件
  2. ブラジル人相続人への説明に時間を要した案件
  3. 在日ブラジル人一家の父親が亡くなった場合
  4. 相続人が海外在住の外国人の場合 相続人が海外在住の外国人の場合
  5. 帰化した元ブラジル人が清算型遺贈の遺言書を残して亡くなった 帰化した元ブラジル人が清算型遺贈の遺言書を残して亡くなった事例
  6. 国際相続 - ブラジル人の場合 実家の土地の相続人がブラジル人25人を含む40人だった事例
  7. 国際相続, 相続人の中に海外在住の日本人がいる場合相続人が海外在住の日本人の場合 相続人が海外在住の日本人の場合 相続人が海外在住の日本人の場合
PAGE TOP